コロナ禍における九州・沖縄エリアの県別ナイトワーク時給比較

バイトルに掲載されている九州・沖縄エリアのナイトワーク時給を比較してみる

日本最大級のアルバイト・パート求人サイト「バイトル」。九州・沖縄エリアでは、2020年9月末の時点で約400件のナイトワーク求人がバイトルに掲載されています。今回はコロナの影響による九州・沖縄各県のナイトワークの時給変動について考察してみます。

2020年九州沖縄エリアの県別平均時給比較

県名第一四半期第二四半期第三四半期
福岡県2,093円1,914円1,916円
佐賀県1,873円1,926円1,872円
長崎県1,858円1,764円1,840円
熊本県2,200円2,395円2,197円
大分県1,907円1,889円1,783円
宮崎県2,221円2,211円2,148円
鹿児島県2,232円2,232円2,038円
沖縄県2,108円1,836円1,755円

新型コロナウイルスの感染拡大によって経済的に大打撃を受けた2020年も早いものでもう第三四半期を過ぎました。ここでは第一四半期(1月~3月)をビフォーコロナ、第二四半期(4月~6月)を緊急事態宣言下、第三四半期(7月~9月)をアフターコロナとして比較してみます。まだまだコロナが収束した訳ではありませんが…。

2020年九州沖縄エリアの県別時給比較グラフ

ビフォーコロナと緊急事態宣言下の比較

第一四半期と比較して、唯一熊本県だけが突出して大きく上昇しています。佐賀県はやや上昇ですが、鹿児島県、宮崎県、大分県ではほぼ横這い。一方、福岡県と沖縄県では大きく下落しました。熊本県で緊急事態宣言下に平均時給が上昇している原因は、小規模なスナックなど休業する一方で年間を通じて募集を行っているクラブやキャバクラなどの時給の高い求人が平均を引き上げているからだと思われます。これは緊急事態宣言下(第二四半期)に求人件数が大幅に減少したことから明らかです。

緊急事態宣言下とアフターコロナの比較

緊急事態宣言下(第二四半期)との比較では、長崎県が76円、福岡県が2円上昇していますが、これはいずれも大手グループ店の求人が再開されたことによるものです。むしろスナックなどの小規模店舗の求人件数が増加すれば緊急事態宣言下よりも平均時給が下がることが予想されます。

ビフォーコロナとアフターコロナの比較

ビフォーコロナの水準まで回復していると言えそうなのは佐賀県、長崎県、熊本県の三県です。一方、最も下落幅が大きい沖縄県では353円のマイナス、次いで鹿児島県が194円のマイナス、福岡県では177円のマイナスとなっています。大分県(-124円)、宮崎県(-73円)を含めいずれもマイナスです。

平均時給が最も高いのは熊本県

ところで、県別の平均時給を比較してみると意外な点に気が付きます。九州最大、西日本一の歓楽街中洲を有する福岡県の時給が最も高いのかと思いきやそうではありません。全期間の平均時給が最も高いのは熊本県で2,264円、次いで宮崎県の2,193円、鹿児島県の2,167円と概ね九州南部の県が上位を占めています。九州新幹線の沿線にあたる熊本県や鹿児島県にはクラブやキャバクラなど時給が高い店舗が多く、また宮崎県には九州全県に店舗展開しているグループ企業の本部があり、その水準に他店が追随しているからだと思われます。

県名第一四半期第二四半期第三四半期全期間平均
福岡県2,093円1,914円1,916円1,974円
佐賀県1,873円1,926円1,872円1,890円
長崎県1,858円1,764円1,840円1,821円
熊本県2,200円2,395円2,197円2,264円
大分県1,907円1,889円1,783円1,860円
宮崎県2,221円2,211円2,148円2,193円
鹿児島県2,232円2,232円2,038円2,167円
沖縄県2,108円1,836円1,755円1,900円

福岡県の平均時給が低いのは、以前【福岡県】ナイトワーク求人レポート/時給編でレポートした北九州市のナイトワーク事情が関係しています。福岡県第二の都市北九州市の平均時給は1,700円台となっています。地元以外の大規模グループ店の出店がなく、スナックやガールズバーのような小規模店舗の求人が多いのが特徴です。そのためクラブやキャバクラの時給も3,000円~と他の地域と比較して低く抑えられています。中洲のような時給5,000円~といった高級店はお目にかかることがありません。

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